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行政

法人税更正処分取消等請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ120
事件名
法人税更正処分取消等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年12月5日
裁判官
松永栄治森田亮渡邊直樹

AI概要

【事案の概要】 不動産売買等を業とする株式会社である原告は、代表取締役であったCが、主要取引先である広告会社A(及びその前身F)から毎月の広告宣伝費の一定割合(約2%)をバックリベート(本件リベート)として受領し、個人的に費消していたほか、別の業者B・H・Kに対して実体のない折込チラシ制作を装って架空の広告宣伝費(本件架空広告宣伝費)を支払わせ、還流金を取得していた。 Cは平成26年9月に横領・背任を理由に代表取締役を辞任し、原告は別件民事訴訟でCらに損害賠償を請求した。一方、枚方税務署長は、①平成22年3月期の帳簿に本件リベートが雑収入として計上されていなかったことが「取引の一部の隠ぺい」に当たるとして、平成27年に青色申告承認取消処分を行い、②平成22年3月期から平成26年3月期までの各事業年度について、本件リベートを益金に算入せず、架空広告宣伝費を損金に算入していたことを理由に、法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分を行った。原告はこれらの処分の取消しを求めて提訴した。 【争点】 第一に、本件リベートがC個人に帰属するのか、それとも原告法人に帰属するのか(青色申告承認取消事由の有無)。第二に、Cの横領・背任等の不法行為により原告が取得した損害賠償請求権を、損害発生と同一事業年度の益金に算入すべきか、それとも別件民事訴訟の判決確定時まで計上を要しないか。 【判旨】 大阪地方裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。 本件リベートの帰属につき、実質所得者課税の原則(法人税法11条)の下では、授受の経緯・目的、算出方法、受領者の法律上の地位、法人の事業との関連性等を総合考慮して判断すべきであるとし、本件リベートは約30年にわたり取引関係維持のため継続的に支払われ、その金額も原告がAに支払う広告宣伝費に一定割合を乗じて算出されていたことから、両社間の合意に基づく割戻しと見るのが自然であり、原告に帰属すると認定した。したがって、これを雑収入として計上しなかったことは「取引の一部の隠ぺい」に該当し、青色申告承認取消処分は適法である。 不法行為に基づく損害賠償請求権の計上時期については、権利確定主義(最判平成5年11月25日)に立ち、権利確定とは権利実現の可能性を客観的に認識し得るに至ることを意味するとした上で、代表取締役は株式会社の業務について包括的権限を有する(会社法349条4項)から、その行為は権限濫用があっても会社の行為というべきであり、原告にとって損害賠償請求権の存在・内容は明らかで、損失発生と同時に同額の益金を計上すべきであると判示した。Cが自ら訴訟提起を期待できないとの事情は納税者の主観的事情にすぎず、Cから約3億円の弁済も受けていることから取得当初からの全額回収不能も認められないとして、原告の主張を退けた。 本件は、法人代表者による使途秘匿的なリベート受領について実質所得者課税を適用して法人帰属を認めるとともに、代表者の横領等による損害賠償請求権を発生年度の益金に計上すべきとする課税実務上の「同時両建て説」を確認した、法人税実務における重要な事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。