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知財

発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
平成31ワ11185
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年12月12日
裁判官
田中孝一奥俊彦本井修平

AI概要

【事案の概要】 原告はアダルトビデオの制作・販売を業とする会社で、自社が著作権を有する2本の動画作品について、インターネット上の動画投稿サイト「FC2動画アダルト」に、原告作品の各シーンを切り抜いて繋ぎ合わせた動画が氏名不詳者によって投稿されているのを発見しました。原告作品1は総再生時間2時間、原告作品2は総再生時間3時間12分9秒の動画であり、投稿された各動画はその一部と一致する内容でした。 原告は、これらの投稿行為が原告の公衆送信権を侵害することが明らかであるとして、投稿者を特定して損害賠償請求等を行うため、経由プロバイダである被告(NTTコミュニケーションズ株式会社)に対し、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)4条1項に基づき、投稿者のIPアドレス等の発信者情報の開示を求めて提訴しました。被告が開示関係役務提供者に該当し、発信者情報を保有していること自体に争いはありませんでした。 【争点】 主な争点は、(1)権利侵害の明白性、すなわち投稿された動画が原告の公衆送信権を侵害することが明白といえるか、(2)発信者情報の開示を受けるべき正当な理由が原告にあるか、の2点でした。被告は、本件各動画は原告作品と比べて再生時間が著しく短いことなどから、権利侵害は明白ではないと主張して争いました。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求をいずれも認容しました。 権利侵害の明白性について、裁判所は、本件各動画は原告作品の一部を抜き出してそのまま繋ぎ合わせたものであり、総再生時間は原告作品より短いものの、繋ぎ合わせた各シーンの内容等に照らして原告作品と実質的に同一のものであると認定しました。そして、氏名不詳の発信者は原告作品と実質的に同一である本件各動画をサーバにアップロードして公衆送信し得る状態に置いたものであり、著作権法に規定された権利制限事由の存在を示す証拠もないため、原告の公衆送信権侵害は明らかであると判断しました。 開示の正当理由についても、原告は投稿者に対し著作権侵害に基づく損害賠償請求等を行う予定であり、そのためには発信者情報の開示が不可欠であることから、正当理由があると認めました。 本判決は、他人の動画作品からシーンを抜き出して再編集した短縮版動画であっても、元作品と実質的に同一と評価される以上は公衆送信権侵害が成立することを明確にした点に実務的意義があります。インターネット上で横行する「切り抜き動画」型の侵害に対する発信者情報開示の判断として、権利者保護の観点から重要な先例となる事案です。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。