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特許料納付書却下処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成31行ウ157
事件名
特許料納付書却下処分取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年12月12日

AI概要

【事案の概要】 原告(清掃機器等のメーカー)は、自社が保有する3件の特許権(いずれも第1年分から第3年分までの特許料を納付済み)について、第4年分の特許料を納付期限までに支払わず、さらに特許法112条1項が定める追納期間(納付期限から6か月)内にも支払わなかった。これにより、3件の特許権は、それぞれ第4年分の納付期間の経過時にさかのぼって消滅したものとみなされた。 その後、原告は平成27年10月に特許検索ソフトで自社特許の消滅を発見し、同年12月、特許庁長官に対し、特許法112条の2による特許権の回復を求め、第4年分および第5年分の特許料等を納付する旨の納付書を提出した。しかし特許庁長官は、追納期間内に納付できなかったことについて同条1項にいう「正当な理由」が認められないとして、納付書に係る手続を却下する処分をした。原告は本件処分の取消しを求めて本訴を提起した。 原告の説明によれば、平成20年7月頃に特許管理業務の大部分をA特許事務所からデンネマイヤー社へ移管したが、移管後に成立した特許権(本件各特許権を含む)については、原告は従前どおりA特許事務所が管理すると考え、A特許事務所はデンネマイヤー社に移管されると認識していたため、両者の間に齟齬が生じ、長期間にわたり特許料が支払われない状態が続いたとされる。 【争点】 争点は、(1)本件各処分の取消しを求める訴えの利益の有無、(2)第4年分の追納期間を徒過したことに特許法112条の2第1項にいう「正当な理由」が認められるかの2点である。とくに「正当な理由」の意義については、平成23年改正により特許法条約(PLT)の「相当な注意(Due Care)」基準を採用して従前の「責めに帰することができない理由」基準から緩和されたものであり、その解釈の射程が問題となった。 【判旨】 東京地裁は原告の請求をいずれも棄却した。 まず訴えの利益について、処分が取り消されれば、後年分の特許料納付の帰すうにかかわらず、特許法112条の2第2項により第4年分の納付期間経過時にさかのぼって特許権が回復し、少なくとも第6年分の納付期間経過までは存続していたものとみなされる。特許法112条の3による回復特許権の効力制限は追納期間経過後から回復登録までの期間に及ぶにとどまり、第4年分の納付期間経過後から追納期間経過までの期間における権利行使は制限されないから、その間の権利行使の可能性がない事情もうかがわれない以上、訴えの利益は認められると判示した。 次に「正当な理由」の意義について、特許権の管理は特許権者の自己責任で行うべきこと、失効特許の回復を無制限に認めると第三者に過大な監視負担を課すことを踏まえ、PLTの「相当な注意」概念を採用した改正趣旨に照らし、「正当な理由」とは、原特許権者(代理人を含む)として相当な注意を尽くしていたにもかかわらず、客観的にみて追納期間内に特許料等を納付できなかったときをいうと解するのが相当であるとした。 本件については、原告の担当者Bが、移管後成立権利の管理をどちらに委ねるか判断に迷い、A特許事務所からの問合せに「少し待って下さい」と答えたまま約7年間にわたり明確な意思表示をせず、具体的な連絡もしなかった事実を認定。特許権者として委任関係の継続の有無を明確にすべきであったのにこれを怠ったのであるから、相当な注意を尽くしていたとはいえないと判断した。A特許事務所の帰責性やデンネマイヤー社の説明不足をいう原告の主張も、結論を左右するものではないとして排斥し、3件の請求をいずれも棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。