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下級裁

覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件

判決データ

事件番号
平成31わ183
事件名
覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2019年12月13日

AI概要

【事案の概要】 被告人が、マレーシアのA国際空港から日本行きの航空機に搭乗し、覚せい剤約438.7グラムを隠したスーツケースを札幌のb空港に持ち込んだとして、覚せい剤取締法違反および関税法違反(覚せい剤輸入未遂)の罪で起訴された事案である。被告人がスーツケースの運搬を引き受けた経緯は複雑で、マレーシアの知人Aから日本渡航に誘われ、偽ブランド品を日本で相手に渡してほしいと依頼されたというものであった。当初被告人はAに対し、自分が薬物の運び屋(マレー語で「ケルダイ・ダダー」)にされているのではないかとの疑念を示したが、Aから自分は偽ブランド品の密輸に関与しているだけだと画像付きで説明され、これを信じたとされる。被告人はマレーシアの空港で実際にスーツケースを受け取る際、中身が事前に聞いていた偽ブランド品(ジーンズ、ストール、ロレックスの偽時計等)と一致することを確認した上で航空機に搭乗した。しかし、b空港到着後の税関検査において、スーツケースのメインの収納部分の内側布と外装内側との間にねじ止めされた型枠内に隠匿されていた覚せい剤が発見された。被告人とAとの共謀による覚せい剤輸入の客観的事実および被告人が偽ブランド品の運搬委託を受けたこと自体には争いがない。 【争点】 本件の争点は、被告人がスーツケース内に覚せい剤を含む違法薬物が隠匿されているかもしれないと認識していたか、すなわち覚せい剤の知情性(故意)の有無である。また、覚せい剤の故意が認められない場合に、被告人には偽ブランド品を輸入する意思があったとして、関税法上の商標権侵害物品輸入未遂罪の限度で縮小認定できるかも問題となった。 【判旨(量刑)】 札幌地裁は被告人に無罪を言い渡した。裁判所は、被告人が当初は薬物密輸への加担を疑ったものの、Aから偽ブランド品の密輸関与を具体的に告げられたことで、違法行為に加担するとしても偽ブランド品の密輸にとどまると信じた可能性を否定できないとした。また、スーツケース自体の引渡し指示を受けた際の被告人の簡潔な反応や、事前に中身が偽ブランド品と一致することを確認した行動などを踏まえると、覚せい剤の隠匿可能性にまで想起が及ばなかったとしても不自然とはいえないと判断した。検察官が指摘した旅費負担の不合理性、虚偽申告、旅程の不自然さ等についても、偽ブランド品密輸への関与を前提とすれば別の合理的な説明が可能であるとし、覚せい剤の知情性を認めるには合理的疑いが残るとした。さらに、偽ブランド品輸入に関する関税法違反の成否についても、覚せい剤はスーツケースを解体しなければ取り出せない態様で隠匿されており、被告人の実力支配下になく所持すら否定される状態にあったから、被告人が覚せい剤を「引き取った」と評価することはできず、商標権侵害物品としての輸入未遂も成立しないと結論付け、刑事訴訟法336条により無罪を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。