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知財

損害賠償等請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1ネ10052
事件名
損害賠償等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年12月19日
裁判官
森義之眞鍋美穂子佐野信
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、自律型思考パターン生成機や人工知能装置に関する特許権を有する控訴人(一審原告)が、被控訴人(一審被告)IPsoft Japan株式会社が製造販売等する人工知能製品「Amelia V3」(以下「本件製品」、製品を組み込んだ装置を「本件装置」という。)が自らの特許発明の技術的範囲に属するとして、特許法100条1項に基づく本件製品の製造・譲渡等の差止めと、民法709条および特許法102条3項に基づく損害賠償4500万円(及び遅延損害金)の支払を求めた事案の控訴審である。本件製品「アメリア」は、顧客サポート業務等で用いられる対話型AIであり、自然言語で顧客と対話し、質問への回答、銀行口座の設定変更・送金処理の補助、文脈に応じた意味理解、同僚の対応を観察して業務手順を学習するナレッジマップ生成といった機能を備えていた。原審(東京地裁)は、本件製品が本件各特許に係る発明の技術的範囲に属しないとして控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主な争点は、本件装置が本件各発明の構成要件を充足するか否かであり、具体的には、(1)本件装置が構成要件1A(画像情報等を対応するパターンに変換するパターン変換器)を備えるか、(2)構成要件1B(パターンの設定・変更およびパターン同士の結合関係を生成するパターン制御器)を備えるか、(3)構成要件1D(有用と判断した情報を自律的に記録する機能)を備えるか、(4)構成要件2C等(入力した言語情報の意味・新規性・真偽・論理の妥当性を評価し、自律的に知識を獲得・構築する機能)を備えるか、(5)構成要件3Cを備えるかである。控訴人は、製品パンフレットや紹介ビデオの記載を根拠に各構成要件を充足すると主張し、被控訴人は、アメリアの内部処理は単なる結合関係の生成や画素データ作成にとどまり、「パターン」そのものの変換や変更、真偽評価に基づく自律的な知識獲得までは行っていないと反論した。 【判旨】 知的財産高等裁判所第2部は、控訴を棄却し、本件製品は本件各発明の技術的範囲に属しないと判断した。裁判所は、構成要件1Aの「パターン」を、画像・音声・言語に係る事象の特徴を計算機が識別可能な「1」「0」等の信号の組合せに変換したものと解し、本件装置内部で生成された画像情報からディスプレイ表示用の画素データを作成することは、この意味での変換処理に該当しないとした。構成要件1Bについても、顧客口座情報の更新や文章の単語分解は、パターン間の結合関係の変更や認識過程にすぎず、信号の組合せ自体の変更には当たらないとした。構成要件1Dについては、請求項の文言と明細書段落【0030】の趣旨から「有用と判断した情報のみを記録する」と解すべきとし、紹介ビデオ(甲12)に「全ての質問がアメリアの経験や知識に加えられる」とある以上、情報の取捨選択はなされていないと認定した。構成要件2C等については、「評価」と「自律的な知識獲得」は直列の関係にあり、アメリアは文脈適合による意味理解はするが価値判断に基づく評価は行っておらず、新規性の判断についても管理者の了承がなければ処理ステップが知識として獲得されず「自律的」といえない、真偽・論理の妥当性も顧客要望の明確化にとどまり入力言語情報そのものの評価とはいえないとして、いずれも非充足と判断した。本判決は、AI製品が宣伝資料上で備えるとされる機能と、特許発明のクレーム上要求される技術的構成との間に存在するギャップを精緻に区別した点に特徴があり、AI関連発明の侵害判断における構成要件解釈の指針を示した裁判例として実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。