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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成31行ケ10053
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年12月19日
裁判官
大鷹一郎古河謙一岡山忠広

AI概要

【事案の概要】 本件は、二重瞼形成用テープに関する特許(特許第3277180号)をめぐる審決取消訴訟である。被告(株式会社アーツブレインズ)は本件特許権者であり、原告(株式会社フィートジャパン)は二重瞼形成用テープを製造販売する化粧品会社である。平成29年8月、両社は本件特許権侵害をめぐる紛争について和解契約を締結し、原告が過去に販売していた「ディファイ№1ウルトラファイバー」等の商品が本件特許権を侵害することを認め、4500万円の和解金を分割で支払うこと、本件特許の有効性を認め無効審判等により争わないこと(不争条項、2条本文)、ただし被告から特許侵害訴訟を提起された場合には当該訴訟における抗弁として無効主張をすることはできること(同条ただし書)を合意した。その後、被告は、原告が製造販売する別商品(「ストロングファイバー」シリーズ等)が本件特許権を侵害するとして損害賠償等を求める関連訴訟を提起した。これを受けた原告は、本件特許について特許無効審判を請求したところ、特許庁は、本件和解契約2条の不争条項により原告は無効審判の請求人適格を有しないとして、審判請求を却下する旨の審決をした。原告は、この審決の取消しを求めて本訴を提起した。 【争点】 主な争点は、①本件和解契約2条の不争条項の効力が、和解契約で明記された「本件商品」(過去製品)とは別の構成の製品について被告が特許権を行使する場合にも及ぶか、②同不争条項が独占禁止法や特許法の趣旨に反し公序良俗違反として無効となるか、③口頭審理を経ずに書面審理で審決をしたことに手続違背があるかである。原告は、不争条項は過去製品に関する紛争に限定され、別構成の製品に関する将来の紛争には及ばないと主張し、また和解金は実質的にライセンス料に相当するから独禁法上の指針が妥当するとも主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所第4部は、原告の請求を棄却した。まず不争条項の効力範囲について、本件和解契約2条の文言上、被告が侵害訴訟を提起した場合の抗弁としての無効主張を除き、原告が特許無効審判を請求することはおよそ許されない趣旨を定めた条項であることが自然に理解でき、代理人弁護士間で十分な修正協議を経て合意された経緯もこれを裏付けるとした。過去製品と別構成の製品に関する紛争には不争条項が及ばないと解する文言上の根拠はないと判断した。次に有効性について、和解金4500万円は原告らによる過去の侵害行為に対する損害賠償金であって実施許諾の対価ではなく、本件和解契約を実質的なライセンス契約と認めることはできず、公正取引委員会の「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」がそのまま妥当するとの前提を欠くと判示した。また、不争条項により他の利害関係人の無効審判請求が制限されるわけではなく、当事者間で不争義務を合意することで直ちに公益性が失われるとはいえず、さらにただし書により侵害訴訟内での無効の抗弁は可能であるから、不当な制限とはいえないとした。手続違背の主張についても、口頭審理を経るか書面審理によるかは審判長の合理的裁量に委ねられており、請求人適格の判断のみの審理であった本件では裁量逸脱はないと判断した。審判便覧が定める書面審理通知を欠いた点は認めつつも、法令上の根拠に基づくものではなく、原告の反論の機会が実質的に奪われた事情もないとして違法とはいえないとした。本判決は、特許紛争の和解契約における不争条項の効力範囲と有効性に関する実務上重要な判断を示したものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。