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下級裁

現住建造物等放火未遂被告事件

判決データ

事件番号
令和1わ656
事件名
現住建造物等放火未遂被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2019年12月23日
裁判官
島戸純島戸純

AI概要

【事案の概要】 被告人は、知人Aとの関係に不満を募らせ、令和元年5月25日午後、Bほか6名が居住し、Aら4名が居合わせた札幌市内の木・鉄筋コンクリート造3階建共同住宅(延べ床面積約322平方メートル)のB方玄関前において、共同住宅の一部を焼損するおそれがあることを認識しながら、書類とパック燃料にチャッカマン型ライターで点火し、これらをB方玄関ドアの郵便差入口に差し入れて放火したが、B方の来客が消火したため、玄関ドアの一部を焦がしたにとどまった、という事案です。現住建造物等放火罪は、人が住居として使用し、又は人が現在する建造物に火を放つ罪で、刑法108条により死刑又は無期若しくは5年以上の懲役という極めて重い法定刑が定められており、未遂犯についても刑法112条により処罰されます。本件は結果として玄関ドアの一部を焦がしたにとどまりましたが、共同住宅という多数の住人がいる建物に対する放火未遂であり、放火罪の保護法益である公共の安全への危険は類型的に高い事案です。被告人には前科はなく、犯行の背景には、被告人が自閉スペクトラム症の影響で、知人からの外出の誘いを断れないことなど周囲との関係で強い困惑やストレスを抱え、これに適切に対処できない中で、ストレス解消の手段として知人宅玄関ドアへの放火を思い至り、執着したという事情がありました。 【判旨(量刑)】 札幌地裁は、被告人を懲役3年に処し、4年間その執行を猶予する旨の判決を言い渡しました(求刑懲役3年)。裁判所は、犯行態様について、火を点けた書類の束及びパック燃料を郵便差入口に差し入れたというもので、火が広く燃え広がるまで意図されたものではなく、住人が恐怖を感じたのはもっともであるものの、生命や身体への現実的な危険が生じる前に消火されていることを指摘しました。動機については理解しづらい面があるとしつつ、その背景に自閉スペクトラム症の影響で困惑やストレスに適切に対処できない中で放火という方法に執着した事情があり、一連の経緯において被告人を責めきれない部分もあるとしました。そのうえで、本件は前科のない単独犯による現住建造物等放火未遂という同種事案の中で重い部類には位置付けられず、刑の執行を猶予することが適当と判断しました。さらに、被告人の障害を踏まえると、実刑を科すよりも社会内で福祉による支援を受けつつ更生に努めさせることに意義が認められ、両親や福祉関係者の支援のもとでの自力更生も期待できるとして、執行猶予付き判決に至りました。発達障害のある被告人に対し、刑罰による応報よりも社会内処遇と福祉的支援による更生を重視した、いわゆる「司法と福祉の連携」の観点が反映された量刑判断として参考になる事例です。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。