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発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ18235
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年12月24日

AI概要

【事案の概要】 本件は、宗教法人である原告(創価学会)が、インターネット上のレンタル掲示板サービス「teacup.」に投稿された記事によって、原告が著作権を有する写真の公衆送信権を侵害されたとして、経由プロバイダである被告に対し、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、発信者情報の開示を求めた事案である。 問題となった写真は、平成21年4月14日に原告施設の創価文化会館で開催された全国代表協議会において、講演中のB名誉会長を原告職員Aが撮影したカラー写真であり、同月19日付け聖教新聞の紙面に掲載されたものであった。氏名不詳者は、B会長の著書「新・人間革命」第30巻の一部を論評する投稿記事を本件掲示板に投稿し、その末尾に上記聖教新聞の紙面画像を複製して掲載した。この紙面画像には、本件写真がカラーで表示され、新聞記事の3段分以上を占める形で写し込まれていた。 発信者情報開示請求は、匿名での権利侵害投稿に対して被害者が加害者を特定し損害賠償請求等を行うための前提手続であり、プロバイダ責任制限法は、権利侵害の明白性と開示を受けるべき正当な理由の存在を要件として、経由プロバイダ等に対する発信者情報の開示を認めている。 【争点】 争点は、(1)本件写真が著作物(著作権法2条1項1号)に該当するか、(2)氏名不詳者による本件写真の掲載が著作権法32条1項の適法な「引用」に該当するか、の2点である。被告は、本件写真が数人の人物を写したありふれた構図にすぎず創作性を欠くと主張し、また引用該当性については、論評の対象は新聞記事全体であって本件写真単体ではなく、論評部分が主、新聞記事が従の関係にあるから適法な引用に当たると主張した。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求を認容した。 まず本件写真の著作物性について、B会長が揮毫を指し示した瞬間のB会長及び参列者の表情と揮毫を画面にバランスよく配置する角度から撮影されており、構図、タイミング、シャッタースピード等に撮影者Aの個性が現れているとして、思想又は感情を創作的に表現した著作物に該当すると認定した。 次に引用の成否については、氏名不詳者の投稿記事には本件写真そのものに対する言及が全くなく、本件写真が批評等の対象となっていなかったこと、投稿記事と本件写真の関係が必ずしも明らかでなかったこと、本件写真が新聞紙面画像中で一定の割合を占めカラーで表現が認識可能な状態で表示されていたことを指摘した。その上で、写真自体の内容が批評の対象とならなくとも適法な引用となる場合があり得るとしても、投稿記事における批評の対象と本件写真との関連性の薄さや、利用された大きさ等を考慮すれば、本件写真が批評等の目的のために正当な範囲内で引用されたとは認められないと判断した。 以上より、氏名不詳者による公衆送信権侵害が明白であり、原告が損害賠償請求権等を行使するために発信者情報の開示を求める正当な理由があるとして、プロバイダ責任制限法4条1項に基づく開示請求を認容した。本判決は、新聞紙面画像の形で間接的に掲載された写真についても、写真それ自体と論評との関連性や利用の量的・質的態様を具体的に検討して引用の成否を判断した事例として、実務上参考となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。