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行政

遺族厚生年金不支給処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1行コ221
事件名
遺族厚生年金不支給処分取消請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年12月24日
裁判官
甲良充一郎橋爪信

AI概要

【事案の概要】 本件は、市議会議員として活動していた控訴人が、夫(被保険者)の死亡後、遺族厚生年金の支給を求めて申請したところ、処分行政庁(厚生労働省)から「控訴人は被保険者によって生計を維持していた者に該当しない」として不支給処分を受けたため、その取消しを求めた事案の控訴審である。 遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時にその被保険者と生計を同じくし、かつ被保険者によって生計を維持していた遺族に支給される。生計維持関係は、厚生労働省が定める「生計維持関係等認定基準」によって判断され、原則として年収850万円未満であることが収入要件とされている。控訴人は市議会議員として議員報酬を得ており、形式的には収入要件を満たさなかった。 控訴人は、市議会議員は任期満了により当然に地位を失うものであり、次期選挙での当選は保証されていないから、近い将来収入を失うことが客観的に予見できると主張した。また、既に次期選挙には立候補しない意思を固め、後援会幹部や家族に引退の意向を表明していたこと、議員報酬の大半を議員活動の経費に充てており、自らの生活費は夫の収入に頼っていた実態に照らせば、認定基準を形式的に適用することは社会的妥当性を欠くと訴えた。原審東京地裁はこれらの主張を退け請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 控訴人が被保険者の死亡当時、被保険者によって生計を維持していた者(遺族厚生年金の受給権者)に該当するか。具体的には、(1)市議会議員の任期満了により、近い将来収入が失われることが客観的に予見できると認められるか、(2)議員報酬の性質や実際の支出実態を踏まえ、認定基準を形式的に適用することが社会的妥当性を欠く場合に該当するかが争われた。 【判旨】 東京高裁は控訴を棄却した。裁判所はまず、認定基準の例外(近い将来収入が失われる場合)が認められるためには、基準時において社会通念上自らの意思では克服できない客観的事情が存在するなど、収入減少が客観的に予見できることを要すると判示した。定年退職が例示されているのもこの趣旨に基づくものである。 市議会議員は任期があるとはいえ、再立候補により地位が継続することも少なくなく、個別事情を吟味しなければ収入喪失の客観的予見は判断できない。控訴人は基準時において3期目の任期開始から4か月足らずで改選まで3年半以上を残しており、病気や欠格事由など客観的に引退せざるを得ない事情は認められず、引退の公言も後援会幹部や知人という内輪の関係者にとどまり撤回困難な形ではなかった。したがって次期選挙に立候補しない、あるいは立候補しても落選すると経験則上認めることはできない。 また、議員活動に係る経費の支出は各議員の判断と責任に基づくもので義務的経費とはいえず、政務活動費が別途支給されていることに照らせば、認定基準の形式適用が社会的妥当性を欠くとは認められない。以上より控訴人は受給権者に該当せず、不支給処分を適法とした原判決を維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。