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知財

特許権侵害に基づく損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ39914
事件名
特許権侵害に基づく損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年12月25日

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「携帯電話、Rバッジ、受信装置」とする特許第4789092号(本件特許)の特許権者である原告(株式会社モビリティ)が、被告(シャープ株式会社)の製造販売するスマートフォン(AQUOS Rなど5機種、被告製品)は本件特許の請求項1に係る発明(本件発明)の技術的範囲に属するとして、被告に対し、民法709条に基づき損害賠償金の一部1億円及び遅延損害金の支払を求めた特許権侵害訴訟である。本件発明は、RFIDインターフェースを有する携帯電話において、スイッチ押下等で生成されるトリガ信号をアクセス要求として受け付け、Rバッジ(ICチップ等を埋め込んだ身近な物品)から識別情報を受信して携帯電話内の識別情報と比較し、一致した場合に所定時間、被保護情報へのアクセスを許可するというもので、スマートフォン等に保存された個人情報の第三者による不正使用を防止することを目的とする技術である。原告は、被告製品がAndroid OS搭載の「スマートロック」機能によりNFC対応のICカードを用いて画面ロックを解除する構成を備える点で本件発明の技術的範囲に属すると主張した。 【争点】 主たる争点は、構成要件充足性(とりわけ「アクセス制御手段」「被保護情報」「トリガ信号」「アクセス要求」「比較手段」「Rバッジ」該当性)と、乙11発明に基づく進歩性欠如、乙16発明に基づく拡大先願違反などの無効理由の存否である。被告は、被告製品の画面ロック機能はデータの読出し・書込みそのものを制限するものではなく、画面ロック中でも電話帳・着信履歴・カメラ・おサイフケータイ等のデータへアクセス可能であるから「アクセス制御手段」「被保護情報」の構成を欠くと反論した。 【判旨】 東京地裁は、争点3-2(進歩性欠如)を先に判断し、本件発明と乙11発明(IDカードと携帯電話との間で無線通信を行い、パスワードを含む演算結果の一致により携帯電話の使用を可能とする発明)との相違点A~Dのうち、相違点B・Dは実質的相違点でなく、相違点A(RFIDインターフェース)は当業者が容易に想到し得るものであり、相違点C(2データ比較か3データ演算か)も乙12発明(2個のデータ比較による認証)を組み合わせることで容易に想到し得ると判断した。さらに争点3-3についても、乙16発明(電波到達距離1m程度の微弱電波を用いる自動ダイヤルロックシステム)は本件発明と実質的に同一であり、乙16公報の「一連の処理が完了するまで」の時間は構成要件Fの「所定時間」に当たるとして、本件発明は拡大された先願と同一の発明に当たり無効審判により無効とされるべきものであると判断した。その結果、特許権侵害に関するその余の争点を判断するまでもなく、原告の請求は特許法104条の3第1項により権利行使ができないとして棄却された。本判決は、スマートフォンの画面ロック機能を巡る特許権行使の場面において、優先日前の類似技術(乙11・乙16各発明)との対比を丹念に行い、RFIDや無線認証という技術分野における進歩性判断の枠組みを具体的に示した事例として、ソフトウェア関連特許の有効性評価の実務に示唆を与えるものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。