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行政

公害防止事業費負担決定取消請求事件(第1事件,第2事件)

判決データ

事件番号
平成26行ウ645
事件名
公害防止事業費負担決定取消請求事件(第1事件,第2事件)
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年12月26日

AI概要

【事案の概要】 東京都北区内の旧北区立小学校跡地・保育園・公園の土壌からダイオキシン類による汚染が判明したことを受け、東京都知事はダイオキシン類対策特別措置法に基づき当該地域を土壌汚染対策地域に指定し、覆土等による公害防止事業を実施した。処分行政庁は、当該地域で明治末期から昭和44年まで食塩電解工場(王子工場)を順次操業していた大日本人造肥料、原告JX金属(旧日本鉱業・旧日産化学工業を含む)、原告日産化学(旧日本油脂)の3社が、電解工程から発生するダイオキシン類を排出して土壌を汚染したとして、公害防止事業費事業者負担法に基づき、原告日産化学に約7076万円、原告JX金属に約1785万円の事業者負担金を課す決定を行った。原告らはこれを不服として、各決定の取消しを求めて出訴した。本件は、前訴(東京地判平成23年)で先行処分が取り消された後に処分行政庁が改めて費用負担計画を策定してやり直した決定に関する事案である。 【争点】 争点は多岐にわたるが、主なものは、(1)負担法施行(昭和46年)前の事業活動に遡及適用して負担金を課すことが憲法31条・39条・84条に反しないか、(2)現在は北区内で事業活動を行っていない原告らが同法の「事業者」に該当するか、(3)ダイオキシン法31条7項の因果関係の立証の程度、及び原告らが本件土壌汚染の原因となるダイオキシン類を排出したといえるか(食塩電解工程からダイオキシン類が発生するか、本件土壌汚染のダイオキシン類との同一性が認められるか)、(4)負担総額及び各事業者の負担割合の算定の適否(苛性ソーダ生産量を基準とすることの合理性、電力事情悪化期や戦後の操業実態をどう評価するか)などであった。 【判旨】 裁判所は、まず遡及適用について、負担法は課税権に基づくものではないが憲法84条の趣旨は及ぶとしつつ、既発生の公害の除去・防止という社会的要請や原因者負担の公平性等に鑑みれば、同法施行前の事業活動に起因する公害について負担金を課すことは財産権に対する合理的制約として許容されるとして憲法適合性を肯定した。また、現在北区内で事業活動を行っていなくても過去の原因事業者に費用負担を求めることは同法の趣旨に合致するとした。 因果関係については、経験則に照らし高度の蓋然性が証明されれば足りるとの一般原則を採用し、本件電解工場で用いられた3種類の黒鉛電極式電解槽のいずれからもダイオキシン類が発生すること、本件土壌汚染のダイオキシン類の異性体・同族体組成比が食塩電解工程由来のものと整合することから、原告らによる排出と本件土壌汚染との因果関係を認めた。 負担総額については、本件対策地域のダイオキシン類にはルブラン法関連工程や搬入土、CNP製品由来のものが含まれる可能性はあるが、主たる発生原因は本件電解工場の食塩電解工程であるとして、事業費全体の3分の2を下回らないとした上で、大田区事例と同様に4分の1減額を認め、負担総額を約8941万円と認定した。 各事業者の負担割合については、苛性ソーダ生産量を基準とすることには一定の合理性を認めつつも、①電力事情が悪化していた時期や粗悪な黒鉛電極が使用された時期(昭和30年度より前)と②そうでない時期(同年度以降)ではダイオキシン類排出量に差があり、②の期間は①の4分の1として算定すべきこと、③昭和42年度以降は原告日産化学がろ過残渣を産業廃棄物として処理しており排出はなかったとみるべきことを指摘し、処分行政庁の算定方法に誤りがあると判断した。これにより、原告日産化学の負担金を2280万967円、原告JX金属の負担金を1781万9896円と算定し、本件各決定のうちこれらを超える部分を取り消した。 なお、前訴控訴審判決の拘束力違反、覆土措置が原告JX金属の排出した公害の防止に当たらないとの主張、本件営業譲渡による負担金債務の免脱、審議会意見聴取の瑕疵、本件なお書きの違法附款性などの原告らの主張はいずれも排斥された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。