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知財

販売差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ1605
事件名
販売差止等請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2018年11月9日
裁判官
山田陽三種村好子三井教匡

AI概要

【事案の概要】 福岡県で創業した老舗菓子「千鳥屋」をめぐる一族間の紛争である。創業者P4の死亡後、妻P5が「千鳥屋」の屋号で家業の菓子製造販売業を引き継ぎ、後に長男P6が東京で、三男である控訴人P1が大阪で、五男P8が九州でそれぞれ千鳥屋の屋号を用いて事業を展開してきた。P5は昭和61年に製造部門を株式会社チロリアン、平成7年に販売部門を千鳥屋販売株式会社としてそれぞれ法人化した。一方、二男P7は平成9年に被控訴人会社(当時の商号は株式会社千鳥屋ファクトリー)を設立し、P7の死亡後は妻の被控訴人P3らが同社を承継した。 控訴人P1は昭和61年に控訴人会社を設立し、関西地域で千鳥屋の屋号を用いて菓子製造販売業を営んできたが、被控訴人らが関西地域で「千鳥屋」の名称を用いて菓子類を販売していると主張して、①関西5府県(大阪、兵庫、京都、滋賀、和歌山)における販売差止、②「チロリアン」の登録商標(本件商標権)について控訴人P1が4分の1の持分権を有することの確認、③競業避止義務違反等を理由とする1000万円の損害賠償を求めて提訴した。原審大阪地裁は、被控訴人P3に対する商標権持分権確認の訴えを確認の利益・被告適格を欠くとして却下し、その余の請求を棄却したため、控訴人らが控訴した。 【争点】 主たる争点は、被控訴人らが控訴人らに対し関西地域において「千鳥屋」の名称を使用して菓子類を販売しない競業避止義務を負っているかである。控訴人らは、昭和60年1月1日にP5が控訴人P1の「独立」を認めたことが旧商法24条以下が規定する営業譲渡に該当し、同法25条(現行会社法21条)により譲渡人側に競業避止義務が生じると主張した。加えて、「千鳥饅頭」登録商標について兄弟4名が地域を限定した使用権登録を行っている事実等から、地域限定の競業避止合意が成立していたとも主張した。 【判旨】 控訴棄却。営業譲渡とは、一定の営業目的のため組織化され有機的一体として機能する財産を譲受人に承継させ、譲渡人が旧商法25条所定の競業避止義務を負う結果を伴うものをいう(最高裁昭和40年9月22日大法廷判決・民集19巻6号1600頁参照)。本件でP5が控訴人P1に交付した昭和62年付証明書には「大阪千鳥屋は昭和60年1月1日に独立致しました」等と記載されるのみで、近畿地区の事業を控訴人P1に譲渡して完全に独立させたのか、単に代表権を認めたにとどまるのか判然とせず、他にその関係を具体的に明らかにする資料もない。したがって昭和60年の「独立」を営業譲渡と認めることはできない。 仮にP5と控訴人P1との間に競業避止義務の合意があったとしても、P5の千鳥屋事業は既にチロリアンと千鳥屋販売に法人化されており、P7はこれらとは別個独立の法人として被控訴人会社を設立したのであるから、P5と控訴人P1との間の合意が被控訴人会社に承継されることはない。P5作成の本件確約書(甲3)中の「兄弟で地域を争う事は絶対に許しません」等の文言も、母親としての強い希望の表明にすぎず、相続の対象となる法的債務を発生させる趣旨のものとは認められない。 「千鳥饅頭」「チドリ」の登録商標については兄弟4名が地域を限定して使用権の登録を受けているが、それ以外の千鳥屋事業については地域限定合意を裏付ける書面が作成されておらず、商標使用権登録の事実から直ちに千鳥屋事業全般についての競業避止合意の成立を認めることはできない。また、P7の合意があったとしても被控訴人会社の代表者としての合意でない以上、その効果は被控訴人会社に及ばない。本件商標権の持分権確認の訴えについても、被控訴人P3は登録名義人でも使用者でもなく、確認の利益ないし被告適格を欠き不適法である。以上より原判決を維持し、本件控訴をいずれも棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。