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行政

被疑者補償規程に基づく検察官の処分取消等,損害|賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30行コ224
事件名
被疑者補償規程に基づく検察官の処分取消等,損害|賠償請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2018年11月14日
裁判官
深見敏正吉田尚弘餘多分宏聡

AI概要

【事案の概要】 本件は、詐欺事件の従犯として逮捕・勾留された控訴人が、不起訴処分を受けた後、被疑者補償規程に基づき被疑者補償の申出をしたところ、東京地方検察庁検察官から補償しない旨の裁定を受け、これに対する東京高等検察庁検察官への不服申出も理由がないとして斥けられたため、国に対して処分取消等を求めた事件である。 被疑者補償規程は、昭和32年に法務訓令として定められた内部規程であり、不起訴処分となった被疑者に対し、検察官の裁定により補償金を支給する制度を定めている。刑事補償法が無罪判決を受けた者に憲法40条に基づく補償を認めるのに対し、不起訴となった被疑者に対する補償は法律上の根拠がなく、訓令レベルの制度にとどまっている点に本件の法的問題の出発点がある。 控訴人は、主位的に、(1)被疑者補償をしない旨の本件裁定は抗告訴訟の対象となる行政処分であるところ、同規程の補償要件を満たす控訴人に補償をしないとした裁定は違法であり、その不服申出を斥けた本件処理も違法であるとして、本件処理の取消しを求めるとともに、(2)国が不起訴処分者に対する費用補償の規程を定めなかったことが違法であるとして、国家賠償法1条1項に基づき61万2000円の損害賠償を請求した。予備的には、検察官が補償要件該当性を看過して本件裁定・本件処理をしたことが国賠法上違法であるとして、195万2500円の損害賠償を請求した。原審(東京地裁)は、本件処理の取消請求部分を訴えの利益なしとして却下し、その余の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主たる争点は、(1)被疑者補償規程に基づく検察官の裁定が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか、(2)不起訴処分者への費用補償規程を制定しない国の不作為が国賠法上違法か、(3)本件裁定及び本件処理について検察官が職務上の注意義務を尽くさず漫然と誤った裁定等をしたといえるか、である。 【判旨】 東京高裁は控訴を棄却した。 まず、憲法40条は無罪判決を受けた者の補償を定めるにとどまり、不起訴となった被疑者の補償請求権までは保障していないと解される。被疑者補償規程は訓令の形式で定められたものにすぎず、起訴独占主義・起訴便宜主義との抵触のおそれから立法化が度々見送られてきた経緯もあり、不起訴となった被疑者は補償を受けることについて事実上の利益ないし反射的利益を有するにとどまり、法律上の権利ないし法的利益を有するとはいえない。したがって本件裁定は行政処分に当たらず、その不服申出に対する本件処理も行政処分・裁決に当たらないから、取消しを求める訴えの利益は認められず、当該部分は不適法として却下すべきである。 次に、被疑者に費用補償を受ける法的利益が認められない以上、国が当該補償に関する規程を制定しないことが国賠法1条1項の適用上違法と評価されることもない。 さらに、国賠法1条1項の違法評価は、担当公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさず漫然と処分等をしたと認められる場合に限られる(最判昭60・11・21民集39巻7号1512頁、最判平5・3・11民集47巻4号2863頁、最判平19・11・1民集61巻8号2733頁参照)。被疑者補償規程2条の「罪を犯さなかったと認めるに足りる十分な事由」は、犯罪構成要件該当性がない場合や嫌疑が極めて薄弱な場合等を指し、真偽不明のときは含まれないと解される。本件では、控訴人が詐取金送付先の利用を認識し認容していた疑いがあり嫌疑が極めて薄弱とはいえないとの検察官の判断が根拠を欠くとはいえず、本件裁定・本件処理が誤っているということはできないから、職務上の注意義務を尽くすことなく漫然と誤った裁定等をしたとは認められない。以上より、控訴人の請求はいずれも理由がない。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。