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行政

公文書部分公開決定処分取消等請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ45
事件名
公文書部分公開決定処分取消等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2018年11月15日

AI概要

【事案の概要】 本件は、東京都板橋区情報公開条例に基づいて公文書の公開を求めた原告が、板橋区長から受けた部分公開決定のうち、非公開とされた部分の取消しと、当該部分の公開決定の義務付けを求めた事案である。 原告は、平成30年1月17日、板橋区長に対し、東京地方裁判所が平成28年1月26日に言い渡した損害賠償請求事件(別件訴訟)の判決書を板橋区内部で回覧するために作成された供覧文書(起案用紙の初葉表面部分)の公開を求めた。別件訴訟は、第三者が原告となり、板橋区を被告として提起されたものであった。 これに対し、板橋区長は同年1月29日、当該供覧文書のうち、担当職員の氏名や印影に加え、供覧を受けた部署の職員の肩書部分を非公開とし、その余を公開するとの部分公開決定を行った。原告は、このうち肩書部分(本件非公開部分)を非公開とした処分が違法であるとして本訴を提起した。 情報公開制度は、住民に対する区政の説明責任を果たすことを目的とする一方で、個人情報の保護にも最大限の配慮を求めるものであり、両者の調整が実務上の主要な問題となる。本件は、その調整において、他の情報と組み合わせることで個人を識別できるかを検討する「モザイク・アプローチ」の射程が争われた事例である。 【争点】 本件非公開部分、すなわち判決書の供覧を受けた板橋区職員の肩書表示が、条例6条1項2号にいう「個人に関する情報であって特定の個人が識別され得るもの」(個人識別情報)に該当し、非公開情報として保護されるべきか否かが争点となった。具体的には、肩書から判明する部署名と、開廷表のメモや訴訟記録の閲覧などによって取得し得る情報とを組み合わせることで、別件訴訟原告を識別できるといえるかが問題となった。 【判旨】 東京地裁は、原告の請求をいずれも認容した。 まず裁判所は、条例6条1項2号にいう「個人に関する情報」は、氏名・住所等に限られず当該個人に関連する一切の情報を含み、「特定の個人が識別され得る」情報も、他の情報と照合して識別可能となるものを含むと解した上で、照合対象となる他の情報は、一般人が知り得る情報に加え、特定の範疇に属する者が通常入手可能な情報に限って考慮すべきであり、無限定には広げられないとの解釈枠組みを示した。 その上で、本件非公開部分に記載された部署名からは、紛争の抽象的な類型が推知できる程度にすぎず、別件訴訟原告を特定することはできないと判断した。開廷表は当日限り特定の場所でのみ閲覧できるにとどまり一般人が入手可能な情報とはいえず、訴訟記録も当事者名や事件番号による特定が必要で、これらを一般人が有していることをうかがわせる事情もないとして、被告の主張を退けた。 また、仮に開廷表や訴訟記録から別件訴訟を知り得る者がいたとしても、そうした者は既に別件訴訟原告を識別しているのであって、本件非公開部分を公開することにより新たに個人識別につながる有意な情報が付加されるわけではないから、モザイク・アプローチを適用する前提を欠くと判示した。 以上から、本件非公開部分は個人識別情報に該当せず、ただし書該当性を判断するまでもなく非公開処分は違法であるとして取り消すとともに、条例上、非公開情報に該当しない文書の非公開処分について行政裁量を認める規定がないことを踏まえ、行政事件訴訟法37条の3第5項に基づき、板橋区長に対し本件非公開部分を公開する処分をすべき旨を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。