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下級裁

建造物侵入,現住建造物等放火未遂被告事件

判決データ

事件番号
平成30わ65
事件名
建造物侵入,現住建造物等放火未遂被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2018年11月16日
裁判官
中桐圭一結城真一郎川口寧

AI概要

【事案の概要】 本件は、札幌市内の飲食店従業員である被告人が、同店経営者Aと共謀の上、店舗に付された火災保険金を取得する目的で、多数の飲食客や従業員がいる雑居ビルに放火しようと企てた事案である。平成30年1月15日午前4時42分頃、被告人らはあらかじめ購入していたガソリンを携え、顔をマスク・帽子・フードで覆って本件ビル西側出入口から立ち入り、同日午前5時18分頃、3階の店舗付近通路の少なくとも7か所にガソリンをまいた上で火を放ったが、天井のスプリンクラーの放水により消火され、通路の壁面等を焦がすにとどまり焼損には至らなかった。被告人らは犯行の約1週間前から「火事起こし方」「ガソリン 引火」「放火罪 捕まらない?」等の用語で繰り返しインターネット検索を行い、量販店でガソリン携行缶・キャップ帽・手袋等を購入し、ガソリンスタンドで10リットルを給油するなど、入念に準備を進めていた。被告人は、火災保険金取得という経済的動機に基づく計画的かつ悪質な犯行に主体的に関与し、建造物侵入罪及び現住建造物等放火未遂罪に問われた。 【争点】 被告人は公訴事実を争い、弁護人は二つの点を主張した。第一に、被告人はAと放火につき意思を通じておらず、本件ビルに立ち入ったのも放火目的という不正の目的ではなかったこと。第二に、仮に共謀が認められるとしても、火が放たれた第2ビル側は無人であり、人がいた第3ビルとは別個の建物であるから、現住建造物等放火未遂罪ではなく非現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまること。したがって、共謀の存否と、接着する2棟のビルを一体の「現に人がいる建造物」と評価できるかが争点となった。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人のインターネット検索履歴、ガソリン等の購入状況、当日の変装・行動の一致、交際相手へのアリバイ工作等を総合し、被告人がAと意思を通じて放火に及んだと認定した。被告人の「冗談だと思っていた」との供述は、検索動機の説明が曖昧で防犯ビデオ映像ともつじつまが合わず、交際相手への発言とも矛盾するとして排斥した。建物の一体性については、第2ビルと第3ビルが接着して建てられ、連絡通路やパイプシャフトによって内部で行き来可能な構造を有し、トイレ共用や案内表示、管理従業員の巡回状況等から一体の建物として利用・管理されており、放火による生命身体の危険が第3ビルにいた人に及ぶ可能性があったとして、物理的・機能的一体性を肯定し、本件ビル全体を「現に人がいる」建造物と認定した。量刑では、火災保険金目的という身勝手で悪質な動機、用意周到な計画性、深夜の繁華街という危険性、多数人の避難や休業被害、多額の修繕費等を指摘し、Aが主導的役割を果たしたものの被告人の関与の程度や役割もAと大きな違いはないと評価した上、不合理な弁解に終始し反省の態度がなく被害弁償も一切行っていない点を考慮し、一部被害弁償をしたAとの刑の均衡も踏まえ、求刑どおり懲役6年に処した(未決勾留日数中160日を算入)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。