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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ3018
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2018年11月29日
裁判官
柴田義明安岡美香子大下良仁

AI概要

【事案の概要】 本件は、美顔ローラーなどの美容器具を製造・販売する原告会社が、発明の名称を「美容器」とする特許権(特許第5922914号)に基づき、被告会社に対して、同社が製造・販売していた「24K GOLD LIFT-UP」という名称の美容器の製造、販売、販売の申出の差止め及び廃棄を求めた特許権侵害訴訟である。 本件特許発明は、ハンドルの先端に交差する一対の支持軸を設け、各支持軸の先端に回転体(ローラー)を回転可能に支持することで身体に美容的作用を与える美容器に関するものである。その技術的特徴は、各支持軸の基端側を「ホルダ」と呼ばれる部材の両端部で押さえ、そのホルダの中間部をハンドルに固定する、という支持軸の固定構造にある。この構成により、一つのホルダで一対の支持軸を同時に固定できるため、構造が簡単になり製造コストを低減できる点に技術的意義があるとされる。 被告製品は、本体内部に「ソーラーパネル取付台」と呼ばれる部材を有し、その先端部裏側には、支持軸及び支持軸のフランジに係合する半円形状の凹部と段差が形成されていた。この部材を支持軸の上にかぶせてネジで固定する構造を採っていたが、支持軸は接着剤によっても本体内部に固定されており、原告が平成28年2月に入手した一部の製品には接着剤が塗布されていないものもあった。 【争点】 主な争点は、(1)被告製品のソーラーパネル取付台が本件発明の構成要件B及びCにいう「ホルダ」に該当し、支持軸を「押さえる」構成を充足するか、(2)本件特許が先行文献(乙11文献、乙12文献)に基づき新規性・進歩性を欠くか、(3)明細書の図面に矛盾があり実施可能要件・明確性要件に違反するか、である。 被告は、支持軸は接着剤で固定されており、ソーラーパネル取付台は支持軸を固定する機能を有さず、その凹部はリード線のハンダ付け部分をカバーするためのものにすぎないと主張した。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求を全部認容した。 まず構成要件の充足性について、被告製品のソーラーパネル取付台の先端部に形成された段差及び半円形状の凹部は支持軸のフランジに係合する形状であり、ネジで固定するとソーラーパネル取付台が支持軸を覆って押し付けることにより支持軸を固定していると認定した。接着剤が塗布されていない被告製品でも支持軸が直ちには外れないことなどから、同取付台は支持軸を固定する機能を有しており、「ホルダ」に該当すると判断した。接着剤が併用されていたとしても、ホルダとしての固定機能が否定されるものではないとした。 次に、構成要件Bの「押さえる」の意義について、一般的意味及び明細書の記載に照らし、「支持軸の基端部をホルダの両端部に接するようにし、ホルダの両端部から支持軸の基端部に対して力を加えることによって、支持軸を抜けないように固定すること」を意味すると解釈した。単なる部材の嵌合・係合によって固定される構成を含むとの被告の主張は、明細書に根拠がないとして排斥した。 乙11文献に開示された発明は、回転軸をEリングで抜け止めする構成にすぎず、支持軸に力を加えて固定するものではないため、構成要件Bを備えず、新規性は否定されない。乙12文献には支持軸の固定方法自体が開示されておらず、被告が援用する他の文献も、美容器とは異なる技術分野(点火電極、ケーブル、パイプ、電線管等)のものであって組合せの動機付けもないことから、進歩性も認められるとした。実施可能要件・明確性要件違反の主張についても、図面の一部の不整合は誤記と理解され、発明の詳細な説明と併せ読めば当業者が実施可能であるとして排斥した。 以上により、裁判所は特許法100条1項及び2項に基づき、被告製品の製造販売等の差止め及び廃棄を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。