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損害賠償等

判決データ

事件番号
平成28ワ41418
事件名
損害賠償等
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2018年11月30日

AI概要

【事案の概要】 原告は「品川美容外科」グループを経営する医療法人であり、被告は韓国の医療用品小売業者である。両者は平成24年6月、被告が開発製造した顔面リフティング施術用製品「YOUNGS LIFT」の販売・供給契約を締結し、原告は「夢のリフト」という施術名で患者に美容整形を施していた。ところが、その後の価格交渉が決裂したため、原告は平成25年10月頃に被告製品の輸入を停止し、同年11月以降はシンガポール法人等を介して韓国のCS社等から調達した新たな器具を用い、「フェイスアップ」という施術名で美容整形を継続するようになった。 これに対し、被告は平成26年7月17日頃、弁護士代理人を通じて原告各診療所に勤務する医師宛てに通知書を送付した。その内容は、原告が使用を開始した製品が被告の特許権を侵害する違法コピー品であること、当該製品は韓国において医療機器の許認可を取得しておらず、韓国食品医薬品安全庁から製造停止・回収命令が出されており、人体への安全性が証明されていないことなどを指摘するものであった。原告は、この通知書を受領した医師のうち少なくとも3名が翌月に退職したと主張し、虚偽事実の記載により逸失利益を被ったとして、不法行為(民法709条)に基づき、損害合計17億9375万円の一部である3000万円および遅延損害金の支払を求めた。 【争点】 主たる争点は、本件通知書の送付が不法行為に該当するか否かであり、具体的には、通知書に記載された特許権侵害および安全性に関する記載が虚偽であるか否かが問題となった。原告は、通知書の「特許権」は日本の特許権を指すが被告は当時日本で特許を有していなかったこと、仮に韓国特許権を指すとしても送付時点で侵害訴訟の判決は確定していなかったこと、指摘された製品が縫合糸に限定されるべきであり、その特許権侵害は認定されていないことなどを主張した。また、安全性に関する記載も、韓国の回収命令は無許可製造・販売が理由であって安全性を理由とするものではなく、対象製品も通知書の「顔面組織固定用の糸」とは異なると主張した。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求を棄却した。 まず特許権侵害に関する記載について、通知書全体の記載を総合すれば、そこでいう「特許権」は韓国の特許権を意味することが明らかであり、受領した医師も容易にそのように理解し得たと認定した。そして、ソウル中央地方法院およびソウル高等法院が、CS社等が製造したカテーテル、プッシュロッド、穿孔手段、縫合糸、ハブ、縫合糸支持体について韓国第1特許および第3特許の侵害を認めており、これらの製品が直接またはシンガポールのアイサポート社等を経由して原告各医師に被告製品の代替物として輸出されたと認定していることを重視した。通知書発出時点で侵害訴訟の判決が確定していなかったとしても、客観的事実として特許権侵害が認められる以上、記載が虚偽とはいえないと判断した。また、通知書の対象となる原告製品は縫合糸に限定されず、顔面リフティング施術に必要な挿入装置や施術キットを含むと解するのが相当であるとして、原告の限定的な解釈を退けた。 次に安全性に関する記載についても、回収命令の対象となった「使い捨て用通管針」「使い捨て用穿刺針」は原告製品の一部を構成する可能性が高く、許認可制度は人体への安全性を確保するために設けられているものであるから、無許可で販売された製品について安全性が証明されていないとする指摘が虚偽であるとはいえないと判断した。 以上より、通知書の記載を虚偽とみて不法行為の成立を主張する原告の請求には理由がないとして、その余の争点(因果関係・損害額)について判断するまでもなく棄却された。取引先に対する警告文書の送付が不法行為を構成するか否かを判断するにあたり、記載内容の客観的真実性が判断の中核となることを示した事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。