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下級裁

殺人,殺人未遂,傷害被告事件

判決データ

事件番号
平成29わ2089
事件名
殺人,殺人未遂,傷害被告事件
裁判所
千葉地方裁判所
裁判年月日
2018年12月4日
裁判官
本田真理子

AI概要

【事案の概要】 本件は、老人ホームに准看護師として勤務していた被告人が、同僚らに睡眠導入剤を密かに摂取させて交通事故を誘発させた事件である。被告人は、平成29年2月5日、同僚のA(当時60歳)に対し、ブロチゾラムを含む睡眠導入剤数錠を混入したコーヒーを飲ませた。Aは急性薬物中毒の症状に陥り、駐車場付近で物損事故を起こしたが、被告人はそれを認識しながら「車は走行可能」と告げてAを起こし、車で帰宅するよう仕向けた。その結果、Aは対向車線に飛び出して衝突事故を起こし、胸部大動脈離断により死亡、対向車を運転していたBも負傷した。さらに被告人は、A死亡の事実を知りながら、同年5月15日、同僚C(69歳)とその夫D(71歳)にゾルピデムを含む睡眠導入剤入りのお茶を飲ませ、同様にDを運転して帰宅させ、対向車との衝突事故を起こさせ、D・C・対向車運転者Eに傷害を負わせた。加えて同年6月8日、同僚F(37歳)が男性職員と親しげにしていることに嫉妬し、Fのお茶に睡眠導入剤を混入して約8時間の急性薬物中毒の傷害を負わせた。 【争点】 弁護人及び被告人は、嫌がらせ目的で睡眠導入剤を摂取させて傷害を負わせた事実は認めるものの、殺人の実行行為性と殺意の有無、及び第1事実の因果関係を争った。具体的には、被告人は睡眠導入剤の効果を過小評価していた、AやDらは既に覚醒していたと判断した、動機は嫌がらせの限度にとどまり殺意はないなどと主張した。また第1事実については、被害者Aの運転車両の前照灯が点灯していなかった点を捉え、対向車の発見が遅れたことが死亡結果の主因であり、被告人の行為との間に因果関係はないとも主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、後に車を運転することが確実に予定されている者に睡眠導入剤を密かに、しかも一般的な服用量以上に摂取させ、その効果が生じていることが明らかな状況下であえて起こして運転を仕向ける行為は、死亡事故を含むあらゆる態様の事故を引き起こす危険性が高く、殺人罪の実行行為に該当すると判断した。そして、准看護師として長年のキャリアを有する被告人が、被害者らの意識障害等の症状を認識していなかったとは考え難く、特に第2事実ではA死亡という現実の結果を踏まえたうえで同様の行為を繰り返しており、遅くとも睡眠導入剤を摂取させた時点で未必的殺意があったと認定した。前照灯の不点灯は事故態様を深刻化させた可能性はあるものの、死亡結果への寄与は小さく因果関係は当然に認められるとした。犯情として、健康を守るべき准看護師が職場の飲み物に睡眠導入剤を混入するという周囲の信頼を裏切る卑劣かつ悪質な態様であり、A死亡後も同様の行為を繰り返した生命軽視の姿勢は厳しい非難に値すると評価した一方で、殺意が未必的にとどまることや前科前歴がないこと、夫の監督誓約書の提出等の事情も考慮し、求刑懲役30年に対し、被告人を懲役24年に処した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。