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行政

怠る事実の違法確認等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30行コ97
事件名
怠る事実の違法確認等請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2018年12月6日
裁判官
藤下健黒野功久木太伸広

AI概要

【事案の概要】 本件は、大阪府高槻市の住民である控訴人が、同市交通部の芝生営業所および緑が丘営業所(市営バスの営業所)において、職員の遅刻を有給休暇に振り替える取扱い(本件取扱い)が違法に行われてきたと主張して提起した住民訴訟である。 問題とされた本件取扱いの具体的内容は、勤務時間中の遅刻について、1回または3回の遅刻を有給休暇半日分に振り替えるというものであった。控訴人は、こうした取扱いは、実際には休暇を取らせず勤務させているにもかかわらず有給休暇を取得したことにしており、ノーワーク・ノーペイの原則(勤務しない時間に対応する給与は支給しないという原則)に反し、労働基準法上も違法であると主張した。 控訴人は、①歴代の高槻市自動車運送事業管理者、②職員の出勤状況把握および給与支給事務の専決権限を有する歴代総務課長(総務企画課長)、③職員の休暇・早退・欠勤の承認権限を有する歴代所長が、高槻市に対して不法行為または地方自治法243条の2第1項の賠償責任を負うと主張した。そして、地方自治法242条の2第1項3号および4号に基づき、市長(被控訴人)がこれらの者に対し損害賠償請求または賠償命令を怠ることの違法確認と、当該請求・命令の義務付けを求めた。 原審の大阪地方裁判所は、本件取扱いが労使間の覚書(本件覚書)に基づくものであり、地方公営企業における事業管理者の裁量の範囲内で合理性を有するとして、控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が本件控訴を提起した。 【争点】 本件取扱いが違法であり、歴代管理者・歴代課長・歴代所長が高槻市に対して損害賠償責任または賠償命令に服すべき責任を負うか否かが争点となった。具体的には、本件覚書の存否および有効性、ノーワーク・ノーペイ原則と事業管理者の裁量権との関係、遅刻を有給休暇に振り替える取扱いの適法性が争われた。 【判旨】 本件控訴を棄却する。 本判決は、まず本件覚書の存在について、当時発見・引継ぎがなされていなかったことをもって存在を否定することはできず、また本件就業規則に抵触する内容ではないから、違法なヤミ協定とはいえないとした。 次に、ノーワーク・ノーペイの原則は私法上の契約解釈における原則にすぎず、労働契約でこれと異なる定めを設けることも許容されるところ、地方公営企業の企業職員の給与については、一定の範囲内で管理者がその合理的裁量により定めることができるとして、同原則から直ちに本件取扱いが違法になるものではないと判断した。 そして、3回の遅刻を有給休暇半日分に振り替える取扱いについては、①当時1時間単位の有給休暇が認められておらず、事後申請による半日単位の有給休暇取得が市バスの定時運行確保に支障を及ぼし得たこと、②自動車運送事業の遂行上、一定の柔軟な対応も不合理とはいえないこと、③1・2回目の遅刻については事前包括的な給与条例16条1項の承認と位置付け得ることを総合考慮し、本件覚書の内容には一定の合理性があり、地方公営企業法38条2項や給与条例の趣旨に違反するとまではいえないとした。1回の遅刻の振替についても同様の理由で、高槻市との関係で直ちに違法とは評価できないとした。 なお、本件取扱いの下で、有給休暇が承認されたにもかかわらず勤務に従事した職員との関係で有給休暇を与えたことにならないという問題が生じる余地があることは認めたが(最高裁昭和48年3月2日第二小法廷判決参照)、その点が直ちに高槻市との関係で地方自治法上違法になるかは別問題であるとして、住民訴訟としての請求は認められないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。