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最高裁

不当利得返還等請求事件

判決データ

事件番号
平成29受1124
事件名
不当利得返還等請求事件
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
2018年12月7日
裁判種別・結果
判決・棄却
裁判官
三浦守鬼丸かおる山本庸幸
原審裁判所
東京高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、金属スクラップ等の継続的売買に関する動産所有権留保と集合動産譲渡担保の優劣が争われた事案である。 被上告人(自動車部品等の製造販売会社)は、平成22年3月、美崎産業(金属スクラップ等の処理・再生・販売会社)との間で、金属スクラップ等を継続的に売却する旨の本件売買契約を締結した。本件売買契約では、毎月20日締めで代金を請求し翌月10日に支払うこと、目的物の所有権は代金の完済をもって被上告人から美崎産業に移転すること(本件条項)が定められていた。被上告人は、美崎産業による目的物の転売を包括的に承諾しており、美崎産業は引渡し直後に特定の業者に転売することを常としていた。 他方、上告人(中小企業等への融資を主たる事業とする金融機関)は、平成25年3月、美崎産業との間で、極度額1億円の融資契約を締結するとともに、美崎産業が所有し静岡県御殿場市内の工場等で保管する非鉄金属製品の在庫製品等を目的とする集合動産譲渡担保を設定し、同日、動産譲渡登記を経由した。 平成26年6月、美崎産業は事業廃止を通知したが、その時点で、同年5月21日から6月18日までに被上告人が売却した金属スクラップ等の代金は未払いであった。被上告人は、本件条項に基づき留保している所有権に基づき動産引渡断行の仮処分決定を得て、工場内の金属スクラップ等を引き揚げ第三者に売却した(このうち代金未払分が本件動産)。 そこで上告人は、被上告人による引揚げ・売却行為が上告人の譲渡担保権を侵害する不法行為又は不当利得に当たるとして、5000万円の損害賠償又は不当利得返還を求めた。 【争点】 本件動産について、上告人が被上告人に対して本件譲渡担保権を主張することができるか、すなわち、本件条項に基づく所有権留保の効力として、本件動産の所有権が被上告人から美崎産業に移転していないと解すべきか否かが争点となった。上告人は、所有権留保条項は実質的には被上告人から美崎産業に一旦所有権を移転させた上で美崎産業が被上告人のために担保権を設定したものとみるべきであると主張した。 【判旨】 上告棄却。本件売買契約は金属スクラップ等を反復継続して売却するものであり、本件条項は売買代金の支払を確保するため、目的物の所有権を完済までは被上告人に留保する旨を定めたものである。毎月21日から翌月20日までを一つの期間として、期間ごとに納品された金属スクラップ等の代金が算定され、当該期間に納品された目的物の所有権は当該期間の代金の完済まで被上告人に留保されるもので、これと異なる期間の代金支払確保のために留保されるものではない。このような定めは、代金額が期間ごとに算定される継続的動産売買契約において、引渡しから完済までの間、支払確保手段を売主に与えるものであって、その限度で目的物の所有権を留保するものである。被上告人が転売を包括的に承諾していたのも、美崎産業に代金支払の資金を確保させる趣旨であり、このことをもって所有権が美崎産業に移転したとみることはできない。したがって、本件動産の所有権は、本件条項の定めどおり、代金完済までは被上告人から美崎産業に移転しないと解するのが相当であり、上告人は被上告人に対して本件譲渡担保権を主張することができない。 本判決は、継続的売買における所有権留保条項の効力を素直に認め、集合動産譲渡担保権者に対しても売主が留保所有権を対抗できることを明らかにしたもので、動産担保取引の実務に重要な指針を与える判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。