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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10067
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2018年12月10日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、原告ポロ・ビーシーエス株式会社が「POLO」「BRITISH COUNTRY SPIRIT」「HOME」の欧文字を三段に配した結合商標(本願商標)を、被服等(第25類)を指定商品として登録出願したのに対し、特許庁が拒絶査定をしたため、原告が不服審判を請求したところ、請求不成立の審決がされたことから、同審決の取消しを求めた事案である。 特許庁は、本願商標中の「POLO」部分が、デザイナー・ラルフ=ローレンが設立したザ・ポロ・ローレン・カンパニー・リミテッド・パートナーシップ(ラルフ社)の主要ブランド「Polo Ralph Lauren」等(本件使用商標)の略称として、我が国の衣料品業界において相当広く認識されていると認定し、本願商標を指定商品に使用すれば、ラルフ社又は同社と経済的・組織的関係を有する者の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあるから、商標法4条1項15号に該当するとした。 原告は、本件使用商標の周知性は認めるものの、「Polo」「ポロ」単独の引用商標の周知性は認められないこと、原告の前身である公冠販売が昭和62年にラルフ社との間でライセンス契約を締結し原告商標Aの通常使用権を許諾している歴史的経緯、原告商標B及び原告使用商標も「日本有名商標集」に掲載されるなど周知であること、しまむら等量販店で販売される原告商品とラルフ社商品とは価格帯・市場・需要者が異なることなどを主張して、混同のおそれはないと争った。 【争点】 本願商標が、ラルフ社の使用する引用商標(「Polo」「POLO」「ポロ」)との関係で、商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するか否か。具体的には、(1)引用商標の周知著名性の有無・程度、(2)本願商標と引用商標の類似性の程度、(3)指定商品の関連性及び需要者の共通性、(4)現実の出所混同の有無などが争われた。 【判旨】 知財高裁は、最高裁平成12年7月11日判決等を引用し、4条1項15号該当性は、商標の類似性の程度、他人の表示の周知著名性・独創性、商品の関連性、取引者需要者の共通性その他取引の実情に照らし、通常の注意力を基準に総合判断すべきとの枠組みを示した。 その上で、ラルフ社の世界売上高が平成25年に約74億5000万ドルに達すること、日本でも平成18年にアジア初の直営旗艦店を表参道に開店し、平成20年3月期の日本売上高が約267億円に上ること、ファッションブランド意識調査で人気度3位となったこと、新聞記事・ウェブ記事において単に「ポロ」「POLO」とのみ表記される事例が多数存在することから、本件使用商標のみならず、その略称としての引用商標も、衣料品等の出所表示として極めて高度に周知著名であると認定した。 類似性について、本願商標中「BRITISH COUNTRY SPIRIT」は上下段の約30分の1の大きさで目立たず「英国精神」程度の意味合いにとどまり、「HOME」も衣料品業界で「家庭用の商品」を意味するにすぎず、いずれも出所識別機能が弱いのに対し、「POLO」部分はラルフ社商品を示す商標として強く支配的な印象を与えるから、要部として分離観察できるとし、引用商標と外観・称呼が同一で観念も共通するから類似すると判断した。 さらに、しまむらで原告商品をラルフ社商品と誤認して購入した消費者の事例、メルカリ等で原告商品をラルフ社商品として出品する事例、原告商品を販売する店舗自ら「ラルフ社の偽物ではない」旨の注意書きを掲げている事実を指摘し、現実に出所の混同が生じていることは明らかであるとした。 原告が援用した本件ライセンス契約の存在や原告商標B・原告使用商標の周知性主張については、売上高等の客観的裏付けを欠き、「日本有名商標集」への掲載や業界証明書のみでは周知と認められず、ライセンスを受けてラルフ社が使用する商標が原告の出所を示すと認識されるとはいえないとして排斥した。 結論として、引用商標の独創性の程度が造語商標に比して低いことを考慮しても、本願商標を指定商品に使用すればラルフ社の業務に係る商品と誤信され出所の混同を生ずるおそれがあるとして、本件審決に違法はないと判断し、原告の請求を棄却した。本判決は、著名ブランドの略称に対する商標法4条1項15号の保護範囲、結合商標における要部認定と分離観察、現実の誤認事例を重視した混同判断の在り方を示した事例として、商標実務上意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。