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知財

特許権に基づく損害賠償請求権不存在確認等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ10027
事件名
特許権に基づく損害賠償請求権不存在確認等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2018年12月12日
裁判官
大鷹一郎古河謙一関根澄子
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、アップル社(控訴人アップル)及びその日本法人Apple Japan合同会社(控訴人アップルジャパン)が、クアルコム社(被控訴人クアルコム)及びその関連会社に対し、アップルのiPhone等の製品(原告製品)の生産・譲渡等がクアルコムの保有する「無線フレーム特有のカウンタ初期化」に関する特許(本件特許権)を侵害しないとして、特許権侵害を理由とする損害賠償請求権及び実施料請求権が存在しないことの確認を求めた事案である。本件特許は、第3世代・第4世代移動通信システムにおける標準必須特許(SEP)の一つとされるもので、両社はこの特許を含むクアルコム保有の必須宣言特許ポートフォリオのライセンス条件をめぐり、世界各国で激しい訴訟を繰り広げていた。 原告製品はアップル自身が製造するのではなく、製造受託業者(CM)が生産してアップルに供給する形態がとられており、クアルコムはCMに対し本件特許権を含む特許のライセンスを付与していた。クアルコムはアップルに対し、CMへのライセンスがない場合(absent a license)に侵害が問題となる特許のリストやクレームチャートを提示していたが、アップルはこれを根拠に、クアルコムが自社に対し本件特許権の行使を予告したものと主張した。原審東京地裁は、確認の利益を欠くとしてアップルの訴えを却下し、アップルが控訴した。 【争点】 本件訴えにつき確認の利益が認められるか、具体的には、(1)クアルコムのアップルに対する言動が本件特許権に基づく権利行使又はその予告に当たるか、(2)クアルコムが米国訴訟で矛盾した主張をしていることが確認の利益を基礎付けるか、(3)クアルコムの子会社に対する訴えに確認の利益があるかが争われた。 【判旨】 知財高裁は、控訴をいずれも棄却した。 クアルコムとCM間のライセンス契約により本件特許権のライセンスが付与されており、原告製品はCMから供給されているため、クアルコムは現在アップルに対し本件特許権に基づく損害賠償請求権及び実施料請求権を行使する意思はなく日本法上行使もできないと表明していることから、本件口頭弁論終結時点においてアップルの権利又は法律上の地位に危険又は不安が現に存在するとは認められないと判断した。アップルが援用した「absent a license」との文言も、CMへのライセンスを含めおよそライセンスが存在しない場合を想定した表現と解され、クアルコムが提示した特許一覧表やクレームチャートに本件特許の米国対応特許・中国対応特許が含まれていたとしても、アップルに対し本件特許権の侵害主張を行ったとは認められないとした。 また、米国訴訟の確認対象は規格必須性の不存在や無効・消尽等であり、本件訴訟の確認対象(本件特許権に基づく請求権の不存在)とは異なるため、米国訴訟におけるクアルコムの主張は本件訴訟の主張と矛盾しないと判示した。子会社に対する訴えについても、クアルコム本社に対する訴えが確認の利益を欠く以上、確認の利益は認められないとし、原判決を相当として控訴を棄却した。本判決は、標準必須特許をめぐるグローバルなライセンス紛争の文脈における債務不存在確認訴訟について、製造受託業者へのライセンスが付与されている場合の確認の利益の判断枠組みを示したものとして実務上の意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。