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最高裁

詐欺,覚せい剤取締法違反被告事件

判決データ

事件番号
平成28あ1808
事件名
詐欺,覚せい剤取締法違反被告事件
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
2018年12月14日
裁判種別・結果
判決・破棄自判
裁判官
三浦守鬼丸かおる山本庸幸
原審裁判所
東京高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、高齢者を狙ったいわゆる「受け子」型の特殊詐欺事件である。被告人は、知人の暴力団組員Aから「自宅に届く荷物を受け取ってバイク便に渡す」仕事を持ちかけられ、荷物1個につき5000円から1万円の報酬で引き受けた。被告人は当初、犯罪に関わる仕事ではないか不安に思い、Aに荷物の中身を尋ねたが、Aは「雑誌や書類のようなもので絶対大丈夫」などと答え、何度も誘ったため、被告人は家計が苦しかったこともあり依頼を引き受けた。 被告人はAから、私書箱業務契約書、複数名分の運転免許証の写し、プリペイド式携帯電話機を渡され、荷物到着前に指示役が受取人名を伝えるので契約書に筆跡を変えて記入すること、荷物は絶対に開けないこと、受領後は指示役に報告しバイク便に引き渡すことなど、詳細な指示を受けた。 氏名不詳者らは、平成26年12月15日頃から、倉敷市在住の当時77歳のB方に繰り返し電話をかけ、B名義で行われている老人ホームの名義貸しの刑事責任を免れるためには現金を送付する必要がある旨の嘘を述べ、Bを誤信させて現金30万円を被告人方に宅配便で発送させた。被告人は指示どおり他人名義で荷物を受領し、バイク便の男に引き渡した。被告人は同様の荷物受取行為を複数回繰り返していた。 第1審は詐欺罪(共同正犯)及び覚せい剤取締法違反(使用)を認定し懲役2年6月を言い渡したが、原審(控訴審)は職権で、被告人に詐欺の故意があったと合理的な疑いを超えて認定することはできないとして第1審判決を破棄し、詐欺罪について無罪を言い渡した。これに対し検察官が上告した。 【争点】 いわゆる受け子として他人宛ての荷物を受領した被告人に、詐欺の故意(未必の故意)及び共謀が認められるかが争点である。被告人が、受け取る荷物が詐欺の被害品である可能性を認識していたと評価できるかどうかが問題となった。 【判旨(量刑)】 最高裁は、原判決の判断は是認できないとし、刑訴法411条3号により原判決を破棄して控訴を棄却し、第1審の懲役2年6月を維持した。 最高裁は、被告人がAの依頼を受けて自宅に配達される荷物を名宛人になりすまして受け取り、直ちに回収役に引き渡す仕事を複数回繰り返して多額の報酬を得ていたという事実のみでも、当該仕事が詐欺等の犯罪に基づいて送付された荷物を受け取るものであることを十分に想起させるものであり、被告人が自己の行為が詐欺に当たる可能性を認識していたことを強く推認させると判示した。 加えて、被告人自身、捜査段階から荷物の中身について金地金、宝石類、他人名義の預金通帳、他人・架空名義の携帯電話機などの可能性を考えたと供述し、詐欺の被害品である可能性を認識していた旨の供述もしており、第1審及び原審で詐欺の公訴事実を認めていたこと、自白の信用性を疑わせる事情がないことも指摘した。 その上で、被告人は自己の行為が詐欺に当たるかもしれないと認識しながら荷物を受領したと認められ、詐欺の未必の故意及び共犯者らとの共謀に欠けるところはないとした。原判決は、故意を推認させる外形的事実の評価及び被告人供述の信用性評価を誤り重大な事実誤認をしたもので、これを破棄しなければ著しく正義に反すると結論付けた。 本判決は、特殊詐欺における受け子の故意認定について、匿名性の高い他人宛て荷物の反復受領と不相応な高額報酬という外形的事情から未必の故意を推認しうることを示した点で、実務上重要な先例となった。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。