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知財

特許権侵害行為差止請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成29ネ10098
事件名
特許権侵害行為差止請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2018年12月19日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「医薬組成物」を発明の名称とする特許権を有する控訴人(デンマークの製薬会社レオ ファーマ アクティーゼルスカブ)が、被控訴人ら(中外製薬株式会社及びマルホ株式会社)に対し、被控訴人らが製造販売しようとしている被告物件が本件特許権を侵害するとして、特許法100条1項に基づく被告物件の生産・使用・譲渡等の差止め、及び同条2項に基づく被告物件の廃棄を求めた事案の控訴審である。 本件特許発明は、尋常性乾癬の治療に用いる医薬組成物に関するもので、ビタミンD3類似体の一種であるマキサカルシトールと、ステロイドの一種であるベタメタゾン(又はその薬学的に受容可能なエステル)とを、非水性混合物の形で単一処方中に含有し、1日1回局所適用することを特徴とする。乾癬治療においては、従来、ビタミンD3類似体とステロイドは別々の製剤として交互に塗布する方法が一般的であったが、本件発明は両者を1剤化することで、患者の適用遵守(コンプライアンス)の改善と治療効果の向上を目指したものである。 原審(東京地方裁判所)は、本件発明には特許法29条2項違反(進歩性欠如)の無効理由があるとして控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主たる争点は、本件特許発明に進歩性欠如の無効理由があるか否かである。特に、乙15号証(タカルシトール軟膏とベタメタゾン軟膏の混合による乾癬治療を報告した文献)を主引例として、(1)タカルシトールをマキサカルシトールに置換することの容易想到性、(2)非水性混合物とする構成の容易想到性、(3)1日1回適用に変更することの容易想到性、及びこれらに係る効果の予測可能性が問題となった。控訴人は、ビタミンD3類似体とステロイドを混合すると各成分が不安定化するという技術常識があったから動機付けがなかったこと、本件発明には乙15から予測できない「より早い治癒開始」「より有効な斑治癒」「副作用緩和」等の顕著な効果があることを主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、本件控訴を棄却した。裁判所は、乙15にはタカルシトール軟膏とベタメタゾン軟膏との等量混合物による乾癬治療が開示されており、本件優先日当時、両剤を混合しても不安定化するという確立した技術常識は存在しなかったと認定した。また、マキサカルシトールはタカルシトールと同じビタミンD3類似体であり、カルシウム上昇作用のリスクが低く治療効果も優れるとの知見が既に公知であったことから、乙15発明のタカルシトールをマキサカルシトールに置換する動機付けは存在し、構成の変更も当業者にとって容易に想到し得るとした。非水性混合物とする点についても、ワセリン基剤の使用が乙15に示されていたことから容易想到と判断した。さらに、1日1回適用への変更についても、4μg/g濃度のタカルシトール軟膏の1日1回適用が既に実用化されており、適用遵守の促進という顕著な動機付けがあったこと等から容易想到とした。控訴人主張の各効果についても、乙15その他の公知文献から当業者が予測可能な範囲にとどまると判断し、進歩性欠如の無効理由があるとの原審判断を維持した。その結果、控訴人は本件特許権を行使することができないとされ、差止め及び廃棄請求はいずれも理由がないとして棄却された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。