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行政

損害賠償請求控訴事件(住民訴訟)

判決データ

事件番号
平成30行コ98
事件名
損害賠償請求控訴事件(住民訴訟)
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2018年12月19日
裁判官
中本敏嗣橋詰均三島恭子

AI概要

【事案の概要】 本件は、A市の住民である控訴人が、同市長らを相手に提起した住民訴訟の控訴審である。 A市は、平成22年、市立B小学校C号館(本件校舎)について耐震補強工事を実施し、設計等業務委託料354万9000円と請負代金3007万2000円の合計約3362万円の公金を支出した。ところが、本件校舎はコンクリート強度が低く、公的基準を満たす耐震補強は元々困難であることが工事前から判明していたとされる。にもかかわらず、市は耐震補強工事を強行し、工事完了後もその事実を公表しなかった。 後にこの問題が発覚し、A市は検証委員会(本件委員会)を設置して、工事実施の経緯、職員や元職員の責任、受託業者の責任、賠償請求権の可否等について調査・検証を行わせ、平成29年3月13日にその結果が報告された。 控訴人は、上記工事に係る公金支出は違法であるとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、工事当時の市長および請負契約を締結した教育長に対する損害賠償請求を市に義務付けるよう求めた。これに先立ち、控訴人は平成29年5月1日に住民監査請求(本件監査請求)を行っていた。 原審(大阪地裁)は、本件監査請求が公金支出から1年を経過した後にされたものであり、地方自治法242条2項ただし書にいう「正当な理由」も認められないとして、本件訴えは適法な監査請求の前置を欠く不適法な訴えであるとして却下した。控訴人はこれを不服として控訴した。 【争点】 住民監査請求の期間制限(地方自治法242条2項、公金支出等のあった日から1年以内)を徒過したことについて、「正当な理由」があるといえるか。具体的には、本件委員会の検証結果が報告された平成29年3月13日までの期間は、相当な期間の経過を判断するに当たって考慮すべきではないとする控訴人の主張の当否が争われた。 【判旨】 本件控訴を棄却。 大阪高裁は、原判決の判断を基本的に維持し、控訴人が監査請求期間を徒過したことにつき正当な理由があるとはいえないとした。 住民監査請求の期間制限の例外である「正当な理由」が認められるには、当該行為を相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在および内容を知ることができたと解されるときから相当な期間内に監査請求がされたことが必要である。 本件では、本件委員会の設置要綱が公表された頃には、本件校舎の耐震補強が公的基準を満たさないものであったことや、関係者の責任および賠償請求権等の可否を調査する契機があり、かつ、これらに関して記載された要綱が条例に基づき掲示場に掲示する方法により施行されていた。したがって、控訴人としては、遅くとも同要綱公表の頃には本件事情について調査する契機を有していたというべきである。 本件委員会の検証結果が報告されるまでの間、監査請求を妨げる法的事情があったとはいえないから、同報告までの期間を相当な期間の経過を判断するに当たって考慮すべきでないとすることはできない。よって、平成29年5月1日にされた本件監査請求は相当な期間内にされたものとはいえず、本件訴えは適法な監査請求の前置を欠く不適法な訴えであるとした原判決は相当である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。