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下級裁

未払賃金等支払請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ1406
事件名
未払賃金等支払請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2018年12月21日
裁判官
田中俊次竹内浩史浅見宣義
原審裁判所
大津地方裁判所_彦根支部

AI概要

【事案の概要】 本件は、一般貨物自動車運送事業等を営むY社(被控訴人)との間で有期労働契約を締結し、トラック運転手(配車ドライバー)として勤務していたX(控訴人)が、無期労働契約を締結している正社員との間で各種手当等に相違があることは労働契約法20条(平成24年改正後のもの)に違反すると主張し、差額相当額の損害賠償等を求めた事案である。Y社彦根支店では、正社員である乗務員に対しては月額1万円の皆勤手当が支給されていたが、契約社員であるXには支給されていなかった。 原審(大津地裁彦根支部)では通勤手当相当額のみを不法行為に基づく損害と認め、差戻前控訴審(大阪高裁)では皆勤手当についての不支給は労働契約法20条違反とは認めなかったが、最高裁(平成30年6月1日第二小法廷判決・いわゆるハマキョウレックス事件)は、正社員に皆勤手当を支給し契約社員に支給しないという労働条件の相違は同条にいう不合理と認められるものに当たると判断し、Xが支給要件を満たしているか否か等について更に審理を尽くさせるため大阪高裁に差し戻した。本判決は、この差戻後の控訴審判決である。 【争点】 争点は、(1)Xに皆勤手当を不支給としたことについてのY社の故意又は過失の有無、(2)Xが皆勤手当の支給要件を満たしているか(本件期間中に当日欠勤があった4日間について年次有給休暇の事後届出を認めた場合の扱いを含む)、(3)Y社の契約社員評価制度(運用基準)による時給増額が皆勤手当不支給の合理的な代償措置となるか、の3点である。 【判旨】 大阪高裁は、Xの請求を認容した。まず、契約社員の時給増減を定める評価制度については、皆勤手当と同様の観点による評価項目は20点満点中4点にとどまり、評価点16点以上でようやく時給が増額される上、昇給額は最大でも時給15円(月額504円、年額6048円程度)にすぎず、皆勤手当(月額1万円、年額12万円)と比較してわずかな金額にすぎないから、皆勤手当を不支給とする合理的な代償措置とは位置づけられないとした。 そして、労働契約法20条は強行法規として私法上の効力を有し、同条違反の労働条件を設ける部分は無効となるだけでなく不法行為となり得ることは同条施行時(平成25年4月1日)より前に厚生労働省通達や多数の文献で指摘されていたこと、Y社は東証一部上場の大規模企業で管理能力を有していたこと、組合から格差是正を団体交渉で要求されていたこと等から、Y社には同条施行時までに均衡処遇に取り組むべき注意義務があり、これを怠った過失があるとした。 さらに、当日欠勤があった4日についても、年次有給休暇を事後届出で取得している場合、正社員には皆勤手当が支給されている取扱いであることから、契約社員にも同様に支給要件を満たすと扱うべきであると判示し、本件期間32か月分の皆勤手当相当額32万円全額の損害賠償を命じた。本判決は、最高裁の有期・無期労働者間の労働条件格差に関する判断枠組みを前提としつつ、代償措置該当性の判断基準を具体的に示した実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。